山童とは

 

山童 (やまわろ) とは、西日本地方に伝わる一つ目の妖怪で、河童が変異して山に住む様になったものを指します。季節性の妖怪で、山で過ごしたり、川で過ごしたりするそうです。

元々はアルパインクライマーや職業として山に関わるプロフェッショナルたちが、川に魅了され、山岳パックラフトと言う新しいジャンルを開拓するために作ったチームの名前が峡谷同人会 " 山童 " でした。

 

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ロゴの中央に位置するパックラフトは、妖怪 " 山童 " の一つ目を表しています。
私たちは山から川へと本来の山童とは逆の変異を成した存在なわけですが、イメージとしてぴったりだなと思いこの名前にしました。

 

子供(童)の様に、いつまでの山遊びを楽しむ心を忘れないで居たい。そんな思いも含めています。

 

そんな私たちが山岳パックラフティングと言う遊びの在り方を模索していく中で、どうしても納得のいく製品が市場に存在しませんでした。

山に持ち込むのも苦にならない軽量コンパクトなパックラフトで、それでありながら必要十分な耐久性を備え、源流域の岩だらけの流れを下ったり、小滝から流れ落ちたりするのに適した性能が求められました。

日本の山に適した専用の道具が必要です。

 


こうして生まれたのが、私たちのルーツとも呼べる最初の商品 " 源流 " です。日本の源流で使うことに特化した、ダウンリバーの道具というよりもむしろ山道具に近い存在です。

 

しかしこうして源流域のフィールドに特化した製品開発を行ってみると、それぞれの水辺に様々な特性があると感じました。
源流域からもう少し降ると、いくつかの流れが合流してしっかりとした川の流れになります。これが上流域。
山間を抜ける流れなので川幅はまださほど広くなく、傾斜が強いので勢い良く水が流れていきます。これにより上流域は激流のホワイトウォーターと化します。
この様な流れでは、特にハイスペックな性能を持つパックラフトが真価を発揮します。まさにパドルスポーツというにふさわしい、刺激的なダウンリバーが楽しめます。

 

やがて川は穏やかで広い流れになってきます。

穏やかな中に時折す劇的な波が立つ中流域は、川旅にぴったりな流域。でも荷物満載のパックラフトをひっくり返して水を抜くのは容易ではありません。

川旅に使うパックラフトにこそ、セルフベイラーが必要だと考えました。
同時に、電車での移動を考慮し、コンパクトにまとめられることも川旅を目的とした場合には非常に重要。生地の厚さやコーティングにもこだわりを持ちました。

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海に近い下流域や湖など、ほとんど流れが無い水域においては人力で漕いで進む事に特化した性能が求められることになります。

長い全長により高い浮力を得て、喫水を浅くして抵抗を無くし、且つパドリングによる左右のブレを長い船体の抵抗によって確実に前に進ませる構造。全幅は狭く、水の抵抗を減らし、前に進む力を邪魔しない構造が求められます。

ボトムに関してもセルフベイラーなどは設けずに、フラットで抵抗のない構造が適しているでしょう。

パックラフトはどれを選択しても、どんな遊びもできる自由度があります。

山岳パックラフティングを目的として開発された " 源流 " を使って、ゆったり川旅を楽しんでも良いんです。
でもそれでは快適なキャンプを行う為のたくさんの荷物は運べない。
やはり専門性の高い製品には敵わないのです。

山童では、ユーザーがメインで使用するフィールドに特化した性能を持つ商品開発を行っています。
そして同時に、それ以外の水域に赴いても、それなりに使える範囲の設計を心がけています。
普段は湖で釣りをすることが多いけど、友人にダウンリバーの誘いを受けた。でも静水用パックラフトしか持っていないし。そんな風に諦めなくても、どうにかこなせる設計をちゃんとしてます。
ご自身のメインフィールドで最高のパフォーマンスを発揮し、それ以外の水域でも最低限のパフォーマンスを保ってくれる。そんなパックラフトの在り方が、山童ブランドの特徴です。