大手パドルスポーツブランド MARSYAS 製

Packraft 4P Carbon Paddle

 

パドルは大きく分けて2種類。ブレードが細長いフラットウォーター用と、ブレードが短くて太いダウンリバー用があります。またシャフトの長さも、フラットウォーターなら 220 から 230cm と長め、ダウンリバーなら 200 ~ 210cm と短めが適します。

 

パドリングにおけるパワーの伝達は、パドリングスピードとブレードが受ける動水圧によって変化します。
ブレードが大きければ大きいほど強い力を発揮できますが、強靭な肉体と小さな船体全面投影面積、大きな側面抵抗が必要になります。カヤックのスプリントレースのような競技であればその方向で良いのですが、パックラフトではクルクル回ってばかりで前へ進まないパドルになってしまいます。
一漕ぎに対する回転エネルギーと船体側面の抵抗が拮抗するバランスが重要です。パックラフトにはパックラフトに適した専用設計のパドルが求められます。加えて、フィールドに合わせた設計も求められます。

 

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パドルが移動する距離が長ければ長いほど、一回のパドリングで進む距離が長くなりますが、素早いパドリングを行うには大きな力が必要となります。
フラットウォーターでは、水の抵抗が少ない細長いブレードを選択し、長いシャフトでリーチを伸ばしたパドルが明らかに楽に漕ぐ事ができます。

この様なパドルでフォワードストロークすると 100cm 程度の水深が求められます。ダウンリバーでは適切な選択ではありません。

ダウンリバーの場合、水深が 50cm を下回る場所も数多く存在します。特に力強いパドリングが求められる瀬では、もっと水深が浅くなるケースも多いもの。
浅い水深でパワフルなフォワードストロークを素早いピッチで行い、流れに負けない推進力を生み出す力強いパドリングが求められます。

 


その為には短いブレード長でハイパワーを出すべく、太く大きなブレードが求められます。このブレードを早いスピードで漕ぐには、力点から作用点までの距離を短くする必要がありシャフトは短めの方が合理的です。
ブレードがギリギリ全部水に入るバランスが重要で、ホワイトウォーターでは垂直にぶっ立てたフォワードストロークを行うに適した短めの長さ。パックラフトの場合はカヤックよりチューブの太さ分遠くなるので、若干長めの 200cm 程度の長さが理想です。
ただ中流域から下流域の穏やかな流れの中では、そんなにスパルタンに攻めたパドリングでは疲れてしまいます。もう少しパドル角度を寝かせ、流れる様なパドリングがリバーランニングには適しています。

ホワイトウォーターより少し長めの 210cm 程度が良いとされています。

 

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ダブルブレードパドルの場合、左右でブレードの角度をずらします。これをフェザーと言います。特にフラットウォーターでは空気抵抗がとても大きな障害となる為、ブレードで受ける風を可能な限り減らしたいもの。
そこで片側のブレードが水中で水を捉えている時、空中に上げられている反対側のブレードは進行方向に対して水平に近い角度になっている事が理想です。

フラットウォーターでは 60° 程度が良いでしょう。

 


一方でダウンリバーにおいては、常に流れているので風の抵抗はあまり関係ありません。概ね 30° ~ 45° 程度の範囲で、パドリングしやすい角度を設定します。

完全に水平にするとパドリングミスが増える傾向にあります。少し角度をつけた方がキャッチ(水を捉える)しやすいです。

ただダウンリバーの先に湖や海へ出るケースも多いので、60° 前後に角度を付けたい場合もあります。

ダウンリバー用のパドルは無段階調整が良いです。

 

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パドルは分解数が多くなればなるほど重くなり、強度も下がるので、究極を言えば1ピース構造が最も理想的だと言えます。ただ1ピースだと車のトランクに収められないので、2ピース構造のパドルが最も人気です。

しかしパックラフトは " パッキングして持ち歩きできる " ことが最大の魅力であり、徒歩や自転車、電車、バスでの移動を考えると、2ピースの1mちょっとの長さもまだ長くて邪魔!
パックラフトに適したパドルは4ピース構造であるべきです。

 

また軽量である事が魅力なパックラフトにおいて、パドルも軽くなくてはその魅力は半減するでしょう。
重量と剛性を考えると、性能面ではカーボンパドルが素材として高い優位性を備えています。


フラットウォーター用4Pカーボンパドル 26,400円

 

フラットウォーターではパドルの長さと角度の調整機構が不要な為、より長くなっているにも関わらずその重量は脅威の 882g!!

フェザーは右手効き、左手効きに対応できる様、60° - 0° - 60° の三段階固定式。長さは固定式で 220cm と 230cm の2種類。収納サイズは 65cm となります。長距離ツーリングに適しています。



ダウンリバー用4Pカーボンパドル 27,250円

 

このクラスのパックラフト用4ピースカーボンパドルとしては最軽量の 894g ( 実測 )。1100g前後のものが多い中でとにかく軽いです!

200 ~ 210cm の長さ調整と無段階の角度調節ができ、流れの速さや水深に合わせてセットアップを変えられます。

収納サイズはブレード 60cm、シャフト 50cm / 65cm となります。



カーボンは特性として、極めて高い高度を持っています。これにより極限まで薄くしてもほとんどしなる事なく、確実にパワーを伝える事ができます。パドルの素材として実に合理的で優れた素材と言えます。しかし硬くて薄い素材は、一定以上の力が加わると割れる危険を伴います。


日本の川はそのほとんどが道路沿いにあり、万が一のパドル破損に陥っても脱出が容易な事がほとんどです。湖においても、海岸線においても、その多くが携帯電話の通信圏内にあります。
しかし例えば山の奥地からの何日もかけたダウンリバーだったり、広い湖や民家が近くない海でパドルが折れると、その瞬間遭難状態に陥ります。そして超軽量な道具を選択する以上、その危険は常に伴います。

この様なフィールドでのパックラフティングにおいては、パーティー(一緒に行動するグループ)に1本は予備パドルを用意することを強く推奨します。例えばダウンリバー用とフラットウォーター用を持っておき、使わない方を予備パドルにしても良いでしょう。分担して持てば、重量負担もそこまで大きくはありません。

壊れるリスクを低減させるには アルミシャフト / プラスチックブレード のパドルを選択する手もありますが、かなり重くなります。それでも絶対に壊れない訳ではありませんし、むしろ流されて紛失するリスクの方が高いので軽いパドルの予備を持つ方が合理的です。

  

フラットウォーター用4Pカーボンパドル

 

ダウンリバー用4Pカーボンパドル

 


パドルには、パックラフティングにおいて他にも有効な使い道があります。それはタープポールとしての役割。
幕営はもちろんテントでも良いのだけど、濡れものが多いパックラフティングでは結露がすごい事になります…。
タープ泊の方が快適だし、何よりロマンがあると思いませんか?

 

 

山童でパドルをお買い求め頂いた方には、シェルターキャップを2つプレゼントしています。
角の立ったカーボン製のシャフトのエッジにも負けることのない肉厚設計のキャップをシャフトに取り付けることで、タープや地面へのダメージを最小化してくれます。

シャフトの角が剥き出しのままではあっさりタープが裂けてしまいますが、保護キャップを着用することでそのリスクを大きく低減できます。保護キャップを使用することで、パドルはタープポールとして活用できます!

 

シャフトの先端から地面やタープを守ってくれる保護キャップは山童だけの特典 です!

 

地面にパイプがめり込んで泥が詰まったり、河原の石でシャフトが欠けたり、タープに穴を開けたりするリスクを軽減します。

 


気温が高い時はシャフト+ブレード片側+保護キャップの組み合わせにして地面から裾を離します。

 

風通しが良くなり、熱がこもりにくくなります。夏場はこのセッティングがおすすめ!

 


風が強い時は裾を地面に直接ペグダウンします。風の巻き込みがなくるだけで体感気温にはかなりの差が出ます。

 

内部空間が狭くなるので、もう一枚のブレードに保護キャップを被せ、奥の天井を持ち上げてあげます。

 


天井は低くなりますが、内部には十分な居住空間が生まれます。パックラフトを裏返して斜めに置けばベッドにもできます。

 

外からの見た目も美しいですね!

 


特に寒い時は周辺を全て囲ったピラミッド張りにします。支柱はシャフトのみを使用し、両端に保護キャップを取り付けて天井を保護します。

 

パックラフトをベッドにはできませんが、空気を抜いてフロアだけをエアマットにして眠ればほぼテント泊と変わらなくなります。結露はします。

 


 

もう一点、これは耐久性の保証をしかねるので自己責任でお願いしたいところですが、個人的にはパドルをトレッキングポールとしても活用しています。
片側のブレードを外し、小さい方の保護キャップを取り付け、杖として使用します。

もちろんガンガン突く様な使い方はできませんが、バランス保持としてはすごく有効です。

バックパックに取り付けても邪魔な存在のパドルが、歩行補助に役立つ存在に変化します!!

 

※ 脱落防止の為、かなりキツめの保護キャップを選択しています。使用前に保護キャップの内側にシリコンスプレーを塗布する事で、つけ外しが容易になります。シャフトに保護キャップを取り付ける際には必ずシリコンスプレーを塗布して使用して下さい。

 

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トレッキングポールとして活用することで、パドルは歩行時にも役立つ存在になってくれます。

 

パドル運搬時のブレード側接合部の保護にもなります。特にバックパックサイドにブレードを固定する場合、地面接触による破損を軽減します

 


 

さらに万が一パドルが破損した際も、短く壊れた側のシャフトに保護キャップを取り付ける事で、シングルパドルとしてパドルを活用する事もできます。
ダウンリバーにおいては基本的に川の流れで進んで行くものであり、パドルの主な役割は方向転換になります。もちろんダブルブレードパドルよりコントロールは難しくなりますが、そもそもラフティングやカヌーはシングルパドルで行われています。予め練習しておく事で、緊急時にも対応できる技術が身に付きます。
仮にシャフトが折れてカーボンがささくれた状態になっても、保護キャップを装着すればどうにか安全なところまで移動できるはずです。

 

破損した側のシャフトにエンドキャップを取り付ける事で、シングルブレードパドルとして使用できます。

 

予め練習は必要ですが、穏やかな流れでは旅の継続も不可能ではありません。急流でも安全な場所までの移動なら十分行えます。

 


 

 

パックラフト4Pカーボンパドルは、極めて軽量で美しく、完成度の高いパックラフト専用設計のパドルです。

軽量コンパクトな舟であるパックラフトとの相性がとても良い商品です。


パドルはパックラフト本体の違い以上にその特性の差が使用時に現れます。山童のパックラフトで言えば、最もフラットウォーターが苦手な " 源流 " でも、フラットウォーター用のパドルを使えば案外楽に漕げちゃいます。最もダウンリバー性能が低い " 明鏡止水 " だって、ダウンリバー用のパドルを使えばそれなりに下れちゃいます。
極端な話、パックラフトは自分のメインとするフィールドに合わせて買い、パドルは両方とも買っておけば、パドルを持ち替えるだけでどんなフィールドにもそれなりに対応できてしまうものでもあります。

最初は一本だけ買えば良いと思いますが、違うフィールドにも行ってみたくなったら、是非もう一本も考えてみてください。使い込むほどに、それぞれの開発コンセプトがわかってきて面白いですよ!

 

これまで何本ものパドルを使ってきましたが、この2本のパドルは本当に良いパドルだと感じています。
今では周りのパックラフターの多くがこのパドルを使用しています。

ほんと良いパドルですよ。自信をもっておすすめします!

 


Packraft 4P Carbon Paddle

 

※ ご配送一個口あたりの合計金額が 30,000円 以上の場合、送料無料!

※ パックラフトと同時注文の場合、原則として同時発送させて頂いております。

※ 取り急ぎお求めの場合、お手数ですがパックラフトと別口でご注文願えます様お願いします。

 ( ダウンリバー用パドル 税込価格 29,975円 / フラットウォーター用パドル 税込価格 29,040円 )

 

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¥26,400

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