パックラフトに使用するバックパックって結構悩みます。パックラフトを使用する用途にもよりますが、例えば源頭からキャニオニングをしつつ、どこまでも続く大ゴルジュをダウンリバーするとか。歩いてしか行けない山奥に流れる源流のクリークとか。湖を渡った先にある誰も足を踏み入れていない沢を登るとか。
歩きの要素が強いフィールドで使ってこそパックラフトが持つ本来の強みを活かせる訳ですが、実際にやってみるとこの目的に合わせたバックパックの選択が実に難しい事がわかります。
バックパックにはたくさんの種類がありますが、パックラフティングにマッチした道具は本当に限られます。
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バックパックには、この様な要素が求められます。
① 防水性が高いバックパックであること。
② リッドにパックラフトを固定できること。
③ パドル、ヘルメット、PFDが外付けできること。
④ テント泊装備一式が納まること。
⑤ 生地が丈夫であること。
⑥ フレーム入りのバックパックであること。
⑦ 小物を入れるリッドポケットがある。
" ULTIMATE35+5 " は、あのラインホルトメスナー(8000m峰全14座に人類初踏破した偉大なる登山家)を支えたイタリアのバックパックブランド " FERRINO " の最先端アルパインパックです。これらの要件に全て満たした、数少ないバックパックの一つであると言えます。
① 防水性の高さ
テントや寝袋、調理器具など、濡らしたくない装備を守る為には防水性の高いバックパックが求められます。ただ当然、パックラフトを含めた装備一式を背負いことを考えると、総重量はそれなりに重くなります。快適に長時間歩く為には、しっかりとした背面やベルト、肩紐が必要になります。ドライバッグ系のバックパックだと、どうしてもこの辺りが貧弱な傾向にあります。
" ULTIMATE35+5 " は、厳しい気象環境の中で人類未踏の挑戦を支える為に開発された最先端アルパインパック。
長時間の活動でも快適に背負える様、軽量ながらもしっかりとしたショルダーハーネスとウェストベルト、背面システムを備えています。
防水処理はHDryと言う、バックパックの縫製を全て終えた後に内側に行う防水被膜が施されており、物理的な穴が開口部以外に一切空いていません。耐水圧も 10000mm あり、加えて分厚い生地に守られているのでその圧力をエンブ連が受けることはまずありません。極めて高い防水性を有しています!
(止水ファスナーで防水性は高められていますが、雨蓋、ウェストベルトのポケットは完全防水ではありません。またメインコンポートメントも、岩にぶつかるなどの強い衝撃があったり、パックラフトが長時間フリップしたまま流されたりすると少量の水が浸水する場合もあります。ゴミ袋などで内部でも防水を行うことを推奨します。ロールトップは3回巻く事で防水性を得られます。)
防水性を高めているロールトップの止水ファスナー。
内側はシンプルな一気室構造にHDry被膜処理をおこなっている。
通気性良い背面とクッション性の高いショルダーパット。
ウェストベルトは取り外して軽量化も可能。
② リッドにパックラフトを固定可能
あたり前の話ですが、パックラフトを使用すれば濡れます。その濡れたパックラフトは比較的安定した場所で畳む事になります。徒歩でしか行けない場所で行うパックラフティングの場合、その安定した場所の足元は砂地か土にの場合がほとんど。そこで畳んだパックラフトには、当然砂や土が付着します。
これをこのままバックパックに収納すると、バックパック内部が汚れます。これは避けたいところ…。
パックラフトのパッキングは、基本的に外付けできる方が望ましいと言えます。
" ULTIMATE35+5 " には、クライミングロープやスリーピングマットを固定するための長めのトップローディングストラップと、長さ調整幅の大きなトップリッドが備えられています。ここに、畳んだパックラフトを納める事ができます。
トップローディングストラップやトップリッドが備わったバックパックはたくさんありますが、パックラフトを固定できるほどの長さ調整できるものはあまり多くありません。
長いトップローディングストラップを備えている。
不要なあまりはベルクロで小さくまとめられる。
③ パドル、ヘルメット、PFD が外付けできる
言うまでもありませんが、PFDとヘルメットはとにかく嵩張ります。パックラフト、PFD、ヘルメット、パドルを全部バックパックに入れ、幕営装備まで入れるとなると 70L ~ 90L 程度必要になります。この大きさになると、バックパックが大きすぎ、パックラフトからはみ出す部分が多くなります。岩に擦れたり、枝などに引っかかるリスクも高まります。大きすぎるバックパックも考えものです。
また大きなバックパックの半分以上の体積が抜かれると、ダウンリバー中のバックパックは中身がスカスカで不安定な状態になります。これはパッキングの在り方として望ましいものではありません。
" ULTIMATE35+5 " は、バックパックの表面にスリットが空いています。ここにシリコンスキーバンドなどを使って装備を固定できます。他のアクティビティにおいても、スキー、アイスアックス、アイゼンなど、外付けしたいギア類の固定に便利です。
サイドコンプレッションベルトは上側が長さ調整機構があり、バックルによって解除可能な構造。下側は縫い付けられて長さが変わらない機構になっています。
この長さが変わらないと言う点が重要で、固いものなどを挟んだ時にバックルが緩んでしまう場合があるのです。下側のコンプレッションベルトが緩んでしまうと挟んでいるものが脱落してしまうので、横に " 薄いもの " を挟みたい時には固定されているベルト方が安心です。パドルのブレードをしっかりと固定できます。
上側が解除できるバックルになっており、且つ長さ調整できる点も魅力です。ヘルメットの固定、パドルの固定ができます。
クライミングロープを固定する為のリッドのストラップも、パックラフトを固定するのに十分な長さが備えられています。この長さが足りずにパックラフトをリッド下に固定できないバックパックも多いので、バックパック購入時には注意したいところ。
さらにリッドの高さ調整幅も非常に大きいバックパックなので、ストラップだけでなくトップリッドも使ってパックラフトを挟み込めるので、実に安定してガッチリと固定する事ができます。
外付けでも一体感のあるしっかりとした固定ができる点は、" ULTIMATE35+5 " の大きな魅力の一つです!
リッド前側のストラップは三段階に調整可能。
リッド後側のストラップも十分な長さ調整ができます。
サイドコンプレッションベルトを使い、パドルもしっかり固定。
シャフトはアックスホルダーで固定。
スリットにバンドなどでシューズを固定できます。( ※ 付属しません。)
PFDは背中側からバックパックを巻くように固定しましょう。
PFDとトップローディングストラップをカラビナで繋ぐとより安定。
ヘルメットはサイドコンプレッションベルトで固定できます。
④ テント泊装備一式が納まる
装備構成にもよりますが、軽量コンパクトな製品を使用した場合、35L の容量はちょうど良いサイズになります。
快適使用温度が 0℃ ~ 10℃ 下限くらいまでのダウンスリーピングバッグ、エアーマット、最低限の調理器具、防寒着、小物類、水、食料などをパッキングすると、概ね 25L ~ 30L 程度になるはずです。パックラフティングの場合、夏であれば着替え一式、冬であればドライスーツを入れなくてはならず、この容量が概ね 5L 程度必要です。
" ULTIMATE35+5 " は最大40L の収納サイズがありますが、ロールトップを複数回巻く事で防水性が高まるので、容量は 35L を上限とすべきでしょう。
ゆったりとした川旅やフラットウォーターのツーリングであれば大荷物を積んでも良いのですが、源流域や上流域の激しいダウンリバーでは、パックラフトからバックパックがはみ出さないサイズ感である事が大切です。
どうしても岩などに激突してバックパックが擦れる事もありますが、パックラフトから大きくはみ出しているとバックパックのダメージが大きくなり、場合によってはバックパックの破損で荷物の流出や水没などが起こります。
そういった意味でも、" ULTIMATE35+5 " は絶妙なサイズのバックパックであると言えます。
⑤ 生地が丈夫!
完全防水のバックパックはドライパックにショルダーがついた様な製品が多いのですが、どうしても岩などの擦れで穴が開く事があり、強度してはお世辞にも強いとは言い難い製品がほとんどです、わりと簡単にピンホールが空き、その穴からじわじわと中の荷物を濡らします。
" ULTIMATE35+5 " はコーデュラ305Pと言う極めて丈夫な生地で縫製されており、その内側に3レイヤーHDryが施されており、極めて強度が高い作りになっています。
実際に同じ素材を使用した旧モデルの " ULTIMATE38 " を使用し、山岳救助の現場でバックパック搬送で人を背負ったり、訓練でも何度も人を背負っていますが、一切ダメージは受けていません。アルパインクライミングにおいても、ゴリゴリと岩に擦ったり、墜落してバックパックから岩に激突した事もありますが、破損はありませんでした。(
壊れないことを保証するものではありません。)
もちろん、防水性にも影響は出ていません。何年も使っていますが、未だ現役で使えています。
パックラフトにおいて、" ULTIMATE35+5 " は絶対的な安心感をもって使えるバックパックだと思います。
とにかくラフに扱っても大丈夫な強度と、ダウンリバーに耐える防水性は他ではないすごい特徴です。
⑥ フレーム入りのバックパック
テント泊装備一式とパックラフト装備一式を合わせると、どれだけ軽い装備構成にしていてもそこそこの重量にはなってしまいます。肩だけで荷物を支えるには負荷が大きく、フレームによりバックパックの重量の多くが腰に分散される設計である必要があります。
また荷物が少ない状態でバウに乗せた時、フレームが入っていないバックパックでは荷崩れを起こしやすくなります。フレーム入りのバックパックを使用する事で、より安定してバックパックを固定する事ができます。
フレームレスバックパックで荷物が少ないと荷崩れしてしまう。
フレームパックであれば、カラビナだけでしっかり固定できる。
⑦ 小物を入れられるリッドポケット
パックラフティングではすぐに取り出したいものや、一時的にしまっておきたい小物が出がちです。
例えばポンプサックは途中で何度でも取り出す可能性があるし、水筒もすぐに取り出したい。サングラスを使うかもしれないし、水泳ゴーグルがあれば水中生物の観察もできるかもしれない。行動食も途中で出したい。
パドルを固定していたスキーバンドや、ヘルメットホルダーなどもパッとしまっておきたいですよね。
もちろんバウバッグを使用する手もあるけど、荷物はバックパックに全部納まっていた方が手返しは良いもの。
" ULTIMATE35+5 " は、トップリッドを簡単にバウバッグ化できるんです!
トップリッドは4点全てがトグルで固定されています。このトグルからトップリッドを外し、表面にあるトグルスリットに横向きに固定する事でバウバッグの様に固定できます。
もちろんこの状態で背負う事もできるので、ダウンリバー終了まで付け替えなくても行動が可能です。
これはほんと便利!!
リッドポケットは止水ファスナーとHDryの組み合わせで高い防水性を与えられてはいますが、完全防水ではありません。ジップロックのLサイズなどを使い、小物類はまとめて防水対策しておくと良いでしょう。
トップリッドはトグルで固定されています。
一度トップリッドをトグルから取り外します。
上下4箇所のトグルスリットに、横向きにトップリッドを固定します。
小物類はジップロックなどに入れて防水対策をしましょう!
バックパックは星の数ほどあれど、これほどまでにパックラフトにマッチしたバックパックがあるでしょうか?
他の選択肢がないほどに、完璧な設計です。
パックラフト以外の用途においても、アルパインクライミング、テント泊縦走登山、雪山登山、MTBなど個人的にも様々な用途に活用しています。ほとんどのシーンでこのバックパックを活用しています。
" ULTIMATE35+5 " であれば、きっとあなたのあらゆる旅を長年支えてくれるでしょう。
製品データ
重さ:Max 1240g / Min 920
容量:35L + 5L
大きさ:66x28x24cm
背面長:45cm
素材:305P リップストップ HP コーデュラ
防水処理:3レイヤー HDry
※ メーカー直送商品となります。他の商品と同梱はできません。
( 税込価格 46,200円 )
¥42,000
税抜価格
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